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文字にも性格や顔つきがある??!デザイナーの文字選び&おすすめフォント10選

2013年5月31日金曜日

こんにちは。マシュー藤井です。

今回は、デザイナーの重要な仕事であり、スキルであるフォント選びについて書かせていただきます。デザインにおいて、文字というのはビジュアルを構成するうえで重要な要素です。

フォント選びはオーディションと同じ

どの文字を使えば、一番ブランド(商品)の世界観やメッセージが伝わるのか?どの文字が一番読みやすいか、わかりやすいか?どんな文字を選べば一番、効果があるのか?

など、デザイナーは苦心して最適な文字を探すわけです。そこで、タイトルにもあった通り文字を選ぶうえで、その文字の性格であったり顔つきであったりを考えながら、、一番最適な文字を選ぶわけですね。

ここでいう文字の性格とは「カテゴリー」に該当します。


英字ですと、大きくいうとセリフ体なのかサンセリフ体なのか。スクリプトなのか、モダンフォントなのか?などカテゴリーがあります。簡単にいうと、セリフ体は真面目で固い感じ。 サンセリフ体は柔軟な感じ、スクリプトは優雅な雰囲気とか。それぞれに性格があります。和文ですと、明朝体とゴシック体になりますね。

そして、顔つきというのが「typeface(タイプフェイス)」に該当します。


これはまさに字を読んでごとく、文字の顔つきなんですが、人間でいうと強面の人がいたりやさしい顔つきの人がいたり、いろんな顔つきの人がいますが、文字にもいろんな顔つきがあるんです。

その性格や顔つきをデザイナーは理解したうえで、その文字を採用するか判断しています。


毎回毎回、オーディションをやってる感じですね。そこで採用する子を間違うととんでもないことになります。。。極端にいうと下記のバナーをご覧いただければ一目瞭然かと。
真面目な性格の明朝体を使うことで、信頼が必要な水の写真の安全なイメージを表現できています。

一方、こちらの文字ですと、一転。。。この水を飲みたくはないですよね。。。なんか怖いです。

ですが、この文字も例えばお化け屋敷の広告などに使うと本領発揮します!これはかなり極端な例えですが、文字を選ぶとは簡単にはこういうことです。

適材適所という熟語がありますが、まさに文字を選ぶ上で重要なのは適材適所!!これにつきます。

デザイナーである私たちはお客様の伝えたい世界観であったり、メッセージであったり、商品のイメージであったりをどの文字を使えば適格に、狙い通りに伝えられるのか頭を悩ませて選んでいます。また選んだ上で、そのままでは使えない子もいます。ダイヤモンドガールもいます。

選んだあとに文字間を調節したり、別の文字と組み合わせてみたり、少し化粧をしてみたり、あえてスッピンにしてみたりといろんな手を加えてお客様に一番わかりやすく適格に伝えることのできる文字に仕立て上げていきます。

Webデザインの世界では日本語に関しては、まだまだ制約の多い環境ですが、Webデザインの世界もグラフィックと同じようにタイポグラフィのスキルが重要になってくることは間違いないと思っています。

ぜひ文字にも性格や、顔つきがあり、適材適所で選ぶことを覚えておいて下さい。

今回は、おすすめのフォントTOP5を英字、和文ごとに紹介させていただきます。※今回は有料のフォントとなっております。中にはWindows or Macに標準搭載のフォントもあります。

有料フォントと無料フォントの違い

有料フォントの多くは、すでに化粧済みですぐに使える文字とイメージしてもらえればと思います。詳しくいうと、文字詰めといって各文字の隙間が均等に見えるよう調節されていたり合字といって、文字と文字がぶつかった場合の特殊なフォントが用意されていたりとすぐに実戦で使用できるレベルに仕上げらえていることです。

お金をかけて鍛えられてますからね!

それに比べて、無料フォントは、文字間の調節がおかしかったり、合字がなかったり拡大してみると文字の作りがおかしいことがよくありますので、そのまま使えないこともあります。かといって、使えないわけではありませんので、またの機会におすすめのフリーフォントも紹介させていただきます。

それでは、完全に私的で選んだおすすめフォント10選です!

英字編

第5位
TRAJAN
フォント界の生ける伝説。トレイジャン。まさにフォント界のクリント・イーストウッドとでも言いましょうか。2000年前より使われている文字です。当時は石工の人が石版に彫刻で文字を掘ってたらしいのですが、この文字のバランスは奇跡といわれるほど、絶妙なバランスとなっています。筆で書くのも難しいのに、石に掘るて、、、神か!

2000年たった今でも多くの、映画タイトルや大学のロゴなど格式のある、厳粛なイメージの場所に使われています。

第4位
neue haas grotesk(ノイエ・ハース・グロテスク)
あの有名なHelveticaの元になったフォントです。フォント界のウィル・スミスとでも言いましょうか!かっこいい!!役を選ばない!息子もかっこいい!!とはいってもパッと見ただけでは、Helveticaとどこが違うのかほとんどわかりません。ですが、文字を組む(並べる)ことで、違うフォントであることがなんとなく。。。わかります。。。また、RがHelveticaと違いシュッとなっていて、Helveticaよりこちらが好きなデザイナーさんも多くいらっしゃいます。

上がneue haas grotesk、下がHelveticaです。R以外ほとんど違いがわからないですよね。。。ですが、使う場所を選ばない、素晴らしいフォントです。

第3位
Garamond
mac、Windowsともに標準フォントとして入っている使いやすいフォント。イタリック体が非常に美しく、何もしなくても様になります。フォント界のキーラ・ナイトレイあたりですかね!高級感や厳粛なイメージの場所で力を発揮します。

第2位
Helvetica
ご存知、フォント界のマイケルジャクソン!Helvetica!シンプルなんですがかっこいい。なんなんだこいつは!!!人気者すぎ!!どんな場所でも圧倒的な存在感を示します。Macでは標準フォントになっています。ぜひPCにいれておきたいフォントです。

第1位
DIN 
個人的に一番好きなフォントシリーズはDINです。フォント界のロバートダウニーJrとでも言いましょうか。どんな役柄でも新しい顔を発見させてくれます。DINはドイツ工業規格の略でこの書体はその工業規格の表示のために作られた書体になっているのですが、その読みやすさやバランスの良さから、道路や公的機関などグローバルデザインの必要性にかられる場所に多く使われています。font-familyの多さも魅力ですね!しかし、結構お値段がはるのが難点です。お小遣いアップしたら、買ってもらおう。。

続きまして、和文編です!!

第5位
中ゴシック
BBB
フォント界の、堺正人ですね!!主役もはれるし、脇役でも存在感を残せる!素晴らしいフォントです。例えばこの「あ」の中の空きの部分が広めにとってあるんですけども、これは文字を小さくしたときに、「あ」の中身がつぶれないように計算されて作られています。それぞれの文字も少しくせがあるのに、全体でみるとそのくせが気にならないという不思議で使いやすいフォントです!大好きです!

第4位
リュウミン

このフォントはまさにフォント界の宮沢りえとでも言いましょうか!美しい!!!金属活字時代の細かなエレメントを残しつつ、優しさもかんじさせるという。。。和文名フォントです!

第3位
丸明オールド
一時期ものすごく流行っていましたね!最近は少し落ち着いてきましたが、それでもかなり見かけます。フォント界の蒼井優!!一言でいうと”ニュートラル”使う場所を選びません。ぜひ使ってみてください。

第2位
小塚ゴシック 小塚明朝
説明不要の存在感です、小塚シリーズ。フォント界の西田敏行でしょうか!天才的です!
このフォントは書体設計家の小塚昌彦さんが72歳の時にリリースされたフォントであります。72歳でこのフォントが作れるって。。。脱帽です。くせがなく、ウェイト(文字の太さ)が細くなっても文字が洗練されている素晴らしいフォントです。ヘビーユーザーです。本当にいろんな場所で使わせていただいています。ありがとうございます、小塚さん!

第1位
A1明朝 
個人的に好きな和文1位はA1明朝です!フォント界の高倉健!この文字の魅力は何といっても、墨だまりという、文字の交差部分に墨がたまったようなつくりになっていることです。写植時代のものを表現されたといわれていますが、それがいい味をだしていて、組んだ時に優しい印象を与えます。読みやすくもあるので、どの世代にも愛される文字として高い人気を誇っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はフォント界のスターのみを紹介しましたが、まだまだいい文字がたくさんいますので、また紹介させていただきます。

文字は適材適所で使うことで大きな力を発揮します。このことをぜひ、覚えておいて下さい!