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デザインのコストについて

2013年5月29日水曜日

こんにちは飯干です。
今日はデザインのコストについて書かせて頂きます。タイトルにありますデザインのコストですが

デザインのコスト = ビジュアルデザイン(見た目)を作ること

ではないです。ビジュアルデザイン(見た目)のクオリティが高ければ当然コストも高くなるのですが、ビジュアルデザインだけがデザインのコストではないです。デザインのプロセスには以下の様なタスクがあります。タスクは一例です。

どういうユーザーがどういう時にサイトを利用するのか

例えばPCとスマフォを利用するシーンは全く異なります。PCと同じ内容を見せても使いづらくなることが多いです。外出先でノートPCを開くよりはスマフォを見る方が断然多いと思います。外出先では必要とする情報が地図という場合は往々にしてあると思います。この状況でスマフォでアクセスした際にPCと同じ情報を見せられた場合どうでしょうか。
この様に利用するシーンやデバイスによって情報のプライオリティ(優先度)は変わります。

情報のプライオリティ(優先度)をつけビジュアルやレイアウトに強弱が適切につけられているか

上記にある様にユーザーにとって今一番必要な情報は何か。そしてそれが適切な位置にあるのか。

どういうコンテンツがターゲットとするユーザーに必要なのか

自社の情報や商品の情報を詳しく載せれば大丈夫。という訳ではありません。時にはユーザーのストレスをケアする様なコンテンツも必要だったりサービスを提供するのも必要です。

ナビゲーションのラベルのつけ方に情報の匂い(クリックした際のページの内容が予測できるもの)がするか

非常に細かいことですがボタンなどのナビゲーションのラベルの付け方でページ回遊性も格段に変わります。よくあるのが、英語表記を使用する事。よく使われる英語表記であれば問題ないのですが、あまりユーザーに馴染みのない英語を使用して意味が伝わらなければ何の為のナビゲーションなのか機能を失くしてしまいます。確かに見た目はカッコイイのですが情報の吸収しやすさは格段に下がります。日本語もどういう言葉を使えばナビゲーションだけでユーザーにコンテンツの内容が伝わりやすくなるのかを検討しなければ意味がありません。ユーザーがサイトを見る時間は一瞬です。その一瞬で情報を如何に伝わりやすくするか。

スマフォサイトの場合は外出先での利用が多いので更にナビゲーションの精査が必要です。

ページへの誘導が多角的か

例えば一つの洋服に対して「ブランドで探す」「サイズで探す」など色々な切り口で誘導ができているか。ギフトが多いサイトでは当然ながら価格帯で探す「○○○○円~○○○○円」といったページへの誘導の仕方や「引き出物」「出産祝い」といった誘導の仕方は当然必要です。

全てはユーザー中心デザイン。人間中心設計 HCD(Human Centered Design)

「この色を使った意図は?」「ここにバナーがある意図は?」「なぜこのフォントを使用したのか?」などは人間中心設計ができて初めて戦略的な答えが出せるところです。ビジュアルデザインだけを作成したデザイナーにこの意図を聞いても内容の薄い答えが返ってくるのはこういう所にあります。

デザインはよく値段がつけづらいと言われますが、コストと時間を抑えれば当然ビジュアルデザイン(見た目)だけの作成になるということをご理解頂きたいです。もちろんコストを抑えてビジュアルデザインだけをデザイナーに依頼するのが悪いのではなくそこにいくまでのプロセスが依頼者で出来ていれば問題ないと思います。

ただ、最終的にはビジュアルデザインという形でアウトプットするのでデザインについて経験のある詳しい方がこのプロセスを作成した方が質の良いデザインができる確率が高くなるのは間違いないです。そして僕らはデザインのプロです。常々デザインに関する探求を行なっています。デザインをする上でデザイナー以外に依頼するメリットがあるのか、ご判断ください。

デザインのコストを上げるというのはビジュアルデザイン(見た目)だけを綺麗にするのではなく、こういった設計があってのコストになります。もちろんこの設計の過程をデザイナーはアウトプットする必要があると思います。

デザインは見た目だけというコスト算出はそれなりのデザインのタスクカットがあることを忘れないでください。