このエントリーをはてなブックマークに追加
このブログをシェア!
このエントリーをはてなブックマークに追加

スマホ→読書に置き換えてみた話

2013年10月2日水曜日

最近、物忘れがヒドいんです。スマホを使いこなせてない証拠なんでしょうね...何でもかんでもスマホで(Googleで)調べられてしまう時代なので、いつでもどこでも「?」と疑問がわけばすぐにググっちゃう。外部ハード(スマホ)に頼っちゃうと、内部ハード(生身の脳)がどんどん退化しちゃうんだなーというのを、つくづく感じちゃう今日この頃...

己のスマホ生活を振り返ってみる

気がつけば、今まではちょっとした待ち時間とか通勤時間とか、そういうタイミングでスマホをイジイジしていました。調べ物とかSNSとかNAVERまとめとか。爆。でも、段々、飽きてきちゃうんですよね。虚無感というか、何やってんだろー感。まわりを見渡せば同じような人たちが居るわけで。何とも妙な気分に苛まれるこの空気何なの。ゲームにこそハマらなかったものの、こういう「思考を強制停止させる時間」が脳みそ退化の要因であることには違いなかったので、思い切って、待ち時間のスマホいじりをやめました。

いつものカバンに文庫本をポイッ

そのかわりに読書をはじめました。いつものカバンに、文庫本をポイッと放り込むだけ。まぁスマホは相変わらずポケットの中にいらっしゃるわけですが、バスの中では強制的に読書タイムに突入するようにしたため、次第に、スマホどころじゃなくなっていきました。このとき注意したのは、メソッドや自己啓蒙といった、いわゆるHOWTO本ではなく(物語性のある)伝記や小説に制限したこと。あくまでも趣味の意味合いを持たせたかったので、どうせなら仕事とは全く関係ないものが良いと考えました。そもそもあまり、HOWTO本が好みではないというのはありますが。ぶもも。

そうすると、本来の目的であった「物忘れ解消」以外にも、たくさんのメリットがあることに改めて気付かされました。今回はそれらについて、つらつらと書きつくってみたいと思います。

オンオフのメリハリがついた

まず、「今はとにかく読書!」と一呼吸置いて行動するときには、ある種の葛藤が生じます。「あぁ今日はもうちょっとアレしたらこうなってたかな」とか「明日はもっといいデザインできるといいな」とか。仕事の延長線上にあった考え方を、スッと、全く別次元の頭に切り替えなければならないわけですから。ちょっとしたモヤモヤっというか。

ただ、これも始めの2、3日だけの問題でした。慣れてくると苦ではなくなります。本の世界にスッと引き込まれる習慣がつき、自然と頭の切り替えが出来るようになりました。つまりは「オンオフのメリハリ」ですね。しかも物語の展開は気になるし、早く続きが読みたいしで通勤時間がとっても楽しみになりました。極端な話、帰る時間が楽しみすぎて仕事がはかどるの何のって。何だこれ。効果てきめんじゃないか。

なんちゃって「私は忙しい病」にも有効

これはデザイナーのみならず、プログラマーなど技術職の方々にはよくある現象だと思われますが...例えば、自分が何かしら作業に没頭しているところで、他のスタッフから声をかけられたとします。大抵の場合、あまりいい反応を示しません。生返事だったりパソコンの画面から目を離さなかったり。それもそのはず。言い訳のように聞こえるかもしれませんが、その時の作業者の脳内は大抵

絶賛フィーバー中

です。ヤベェよヤベェよノリノリだよコードを書く手が止められないYO!(*´∀`*)ひゅっふー★という非常にハイな状態です。声をかけられることで、その集中の糸を切らせたくありません。せっかく近所の公園で友達と楽しく遊んではしゃいでたのに「ごはんよ〜」と母親から呼び戻される子どものように、絶望にも似たがっかり感が押し寄せてくるのです。出来ればもうちょっと先送りして欲しい。そんな気持ちが、顔に出てしまうんですよどうしても。

でもこれ、はたから見たら「忙しそうだな」と思われてしまいがち。十中八九、経験者の皆様は首を縦に振ることでしょう。真相が上記の通りであったとしても「声かけちゃマズかったな...」「そうだよな、対応で忙しいよな...」とたじたじに。声をかけたスタッフだって、もしかしたら並々ならぬ課題を抱えていて「フィーバー(*´∀`*)ひゅっふー★」と殺気にも似たオーラを放っている作業者を前に、勇気を振り絞って声をかけてくれたのかもしれないのに。作業者に必要なことは、その勇気をたたえ「何だい?(*´∀`*)」と、その気持を心よく懐に迎え入れる努力です。ただ、そのことも頭では理解していても、いざ集中しちゃってると、身体はなかなか言うことを聞かないんですよね...

ここで読書の成果が効力を発揮します。半ば強制的にオンオフを切り替えるトレーニングを続けているので、声をかけられても爽やかに「何だい?(*´∀`*)」と受け入れることが出来るのです。その人の好き嫌いはあるのでその個人差は例外にはなるものの、このように「心の余裕」が生まれるのは確かです。

自分の作業なんかよりもずっと大事なことがある。

そう気づかせてくれたのも、他ならぬ読書でした。(ポエマー風

「日向時間」が苦ではなくなった

宮崎には「日向時間」という文化が存在します。例えば「午後1時にデパート前ね」と決めていたとしましょう。宮崎では大抵の場合、1時半くらいに集合します。他県の方々から「30分も遅刻かよ!?」と怒号を食らいそうですが、これが宮崎の「常識」なんです。ぽかぽかとした陽気に包まれ、広大な青空と果てしなく続く水平線に囲まれて育った人々は、実にのんびりとした、気の長い気性になっていきました。

ただ、それに甘んじるか甘んじないかは個人の感覚次第。人によってはきちんとオンタイムで来ますし、10分前集合は当たり前なんて(他県から見た)「常識人」だってちゃんと存在します。私もどちらかといえば10分前集合タイプなので、相手を待っている間はどうしてもソワソワしちゃう、というのが常でした。(特にデートのときとかね!ポッ)「日向時間」を心得ていながらも、また相手にそれを許容しながらも、自分で勝手に「大丈夫かしら?」「もしかして渋滞かしら?」「事故とか遭ってないかしら?」「時間間違ってないかしら?」と心の中がザワザワしちゃうんですね。きっとこれは長女のサガです。

でも、読書をはじめたらそんな「症状」も和らぎました。だって、相手を待っている間じゅうずっと、本と向き合っていられるんですから。これには自分でも驚きました。元来の性格なんだからしょうがない、と諦めてましたが、読書に没頭するということだけで、時間が全く気にならなくなるとは。30分でも1時間でも待てちゃう「なんちゃって忍耐力」がつきました。要らぬ心配をせずとも良いので、心に静寂と平安が訪れました。これは凄い。

想像力が鍛えられるって本当だった

また、デザイナーというお仕事柄、色々と考えたり想像したり妄想したりという「思考」が欠かせないわけですが、本を読み始めてから、これまでにも増して想像力(妄想力)が高まった気がします。

読書をするときに何が一番大事かって、やっぱり想像力なわけで。想像力をフル稼働させないと、物語の中の情景やシチュエーション、人物像や人間関係などが把握できません。デザインする際、お客さまとお話するときも実は同じです。どんな人にこの商品を提案していきたいか、実際にはどんな人がこの商品を求めにくるのか、どういうシチュエーションで利用するのか。様々なデータを参考にしながら、きっちりとサイトの目的や流入などを練り、ヒアリングに臨みます。

読書によって、普段から想像力を高めるトレーニングをしているも同然なのでお話をしながらも頭が高速回転。「あぁ、それだったらこうするのがいいかもしれないですね!」とアイディアが閃いたり、それでお話が盛り上がったり。まさかこんな応用力も身につくとは思ってもみませんでした。

まとめ

みなさんも、きっと小さい頃からよく云れてきたのではないでしょうか。周りの大人たちに「本は若いうちに沢山読め」とか「心が豊かになる」とか。その当時は何故そんなことを口酸っぱく言うのか解りませんでした。しかも高校生の頃には「読書の時間」というものがありました。めいめい、好きな本(漫画はNG)を持参して10分間、朝礼前に読書をするわけですが「やらされている課題」という感覚でしたから眠いの何の。

当然のことながら、自発的な行動って大事ですね。実際、自分で改めて(自発的に)読書を始めてみて「これってデメリットあるのかな?」と思えるくらいに良いことだらけ。ビビりました。

「最近、スマホいじりに飽きたのよね」「読んでる時間なんてないわ」と思っている方にこそ是非、おすすめしたいです。