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これぞ音楽界のデザイナー!アラン・メンケンについて

2013年7月4日木曜日

こんにちは!はんなです。
タイトルでピンと来られた方がいらっしゃいましたら挙手をお願いします。一緒に語りましょう。今回は、ディズニー好きの間では超有名な、アラン・メンケン大先生について語りたいと思います!

アラン・メンケンって誰?

ご存知でない方の為にちょこっとご紹介。アラン・メンケン大先生は作曲家でいらっしゃいます。舞台音楽やディズニー映画の音楽、ディズニーランドやシーなどのアトラクションで使用される曲なんかも手がけてらっしゃいます。

ディズニーの例でいくと「リトルマーメイド」や「美女と野獣」、「アラジン」などなどディズニーアニメの全盛期を飾る、そうそうたる楽曲を世に送り出していらっしゃいます。もちろん、アカデミー作曲賞・歌曲賞受賞&ノミネート歴もたくさん!絶対、どこかで、何かしらの形で、誰しもが、聞いたことのある曲!を、手がけていらっしゃるんですよ〜〜〜!(力説。)

で、何がスゴイの?

カメレオンのようなカモフラージュ力です。「アラン・メンケン」という個性を消して、舞台や映画の時代設定・背景をしっかりと汲み取った音楽づくりをされます。エンドロールに出てくる名前を見て「え!?アラン・メンケンだったの!?」と驚きを隠せない。そんなカメレオン力(ぇ)をお持ちです。

通常であれば、聞いただけで「あ、この音楽はきっと◯◯さんが作った曲だ」と分かることが多いのではないでしょうか。例えば久石譲さん。ジブリの音楽で有名ですね。彼の音楽は、誰が聞いても「あ、これ絶対久石譲さんだ!」と分かることが多いです。それが個性でもあり、特徴でもあります。また、アニメ音楽などで有名な菅野よう子さん。彼女の楽曲も、いわば「菅野よう子さんだ!」と分かる構成になっています。特に歌唱の場合、その難易度やコード進行も似ていますし、声質の似ている(高い声の)女性ボーカルを起用しているのでピンときます。それもまた彼女の好みや個性を反映したものと思われます。

大抵の場合はこのように、映画音楽にしろドラマ音楽にしろ少なからず作曲家の「個性」が出るものですが、アラン・メンケン大先生の場合は、印象が全然違うんです。

実際に聴いてみよう

以下に並べるのは全てアラン・メンケン大先生の手がけた楽曲です。ディズニーの場合、おとぎ話や歴史上の人物伝などが多いので、そういった時代設定・年代・国なども踏まえて聴いてみると感動が倍増。鳥肌が立ちます。

リトルマーメイド:Under The Sea

童話「人魚姫」を映画化したアニメです。陸の世界の王子に一目惚れしてしまい、陸の世界を夢見る人魚姫アリエルに対して、宮廷音楽家のカニ、セバスチャンが「いやぁ、海のほうがいいもんだよ〜」と歌う場面。何とかアリエルのやんちゃっぷりをなだめようと必死!セバスチャンがんばれ!なところです。常夏を思わせるスチールドラムが何とも印象的です。

この内容を知らなくても、この曲のタイトルを知らなくても、歌詞がたとえついていなくても、音楽を耳にしただけで「海っぽい!」「夏っぽい!」「南国っぽい!」と誰しもイメージしちゃうんじゃないでしょうか。

同上:Part of Your World

こちらはアリエルが、海の皆から「陸はダメだ!」「危ない!行くな!」と止められ意気消沈しつつも、陸への想いを歌い上げるシーン。先の歌とは対照的ながら、こちらも水面のキラキラを彷彿とさせるイメージでまとまっています。

曲の構成の素晴らしさはさることながら、この「っぽさ」が、映画のストーリーともとてもマッチしています。

美女と野獣:Beauty and The Beast

フランス民話「美女と野獣」がモデルの作品です。魔法にかけられて野獣と化した王子と、お城に迷い込んできてしまった娘ベルとの愛の物語。これね、凄いですよ。人を愛し愛され、その証明ができないと魔法が解けないって設定なんですけど、そのことを王子自身わかっているのに、家に帰りたいと願うベルの願いを聞き入れて、敢えてお城の外に放してあげちゃうんです。自由にしちゃうんです。「なぜ自由にしたのですか!」「魔法が解けないかもしれない!」と嘆く召使いたちに対して「なぜなら、彼女を愛しているから」と答える野獣。もう涙しか出てこないっす...って思い切り本筋逸れてますスミマセン。

お城の中での、2人っきりの舞踏会。いわゆる、デートですね。羨ましいっすね!宮殿を思わせる荘厳な雰囲気、上品で洗練されたイメージが伝わってきます。

ヘラクレス:I Can Go The Distance

こちらはギリシャ神話がベースの物語。とはいえ、ほぼディズニーのオリジナルとして描かれている作品です。誤って神の世界から地上に落っこちてきちゃったヘラクレスと、それを取り巻く人間模様(と、神模様?)を描いています。

全知全能の神ゼウスから生まれたヘラクレスは父親ゆずりの怪力。ただ、人間として育てられていたおかげで、周りの人たちからは気持ち悪がられてしまい、コンプレックスを抱くようになり、旅に出ます。そんなシーンです。

同上:I Won't Say I'm in Love

このストーリーに登場するヒロイン、メガラがヘラクレスに対して「いや、違うの!アタシ、別にアイツに恋なんかしてないんだから!」と歌う、立派な恋の歌です。ゴスペルちっくな要素(リズムやコーラス)を取り入れているところがキュンポイント。きっとギリシャ神話って路線ではないんだけど、何故でしょう。やっぱり神繋がりだからなんでしょうか?ゴスペルでも似合ってるところが凄い。

ポカホンタス:Just Around The River Bend

ネイティブアメリカンっぽくないですか!っぽい!!凄い!!!絶対上の曲作った人と一緒じゃないっしょコレ!!!!!

...という興奮を抑えきれません。ポカホンタスというネイティブアメリカンの人物を題材にしたこちらの作品。1607年が舞台です。金を求めてアメリカの大地にやってきたイギリス人ジョン・スミスと現地人ポカホンタスの、とっても切ない恋物語です。

同上:Colors of The Wind

イギリス人ジョン・スミスが「君たちは(文明を)何も知らないじゃないか」とたしなめるのに対し、ポカホンタスが「あなたたちこそ(大自然のことを)何もわかっていない」と語りかける場面です。

ノートルダムの鐘:Out There

舞台は15世紀のパリ。容姿こそ悪いものの心の優しさは人一倍、そんな青年カジモドはノートルダム大聖堂の鐘衝き男として暮らしています。フロロー判事に「お前は醜いから一生ここから出てはならぬのだ!」と教育されて育ちますが、「もしも願いが叶うなら、一度だけでも外の世界を見てみたい」と想いを募らせます。

鐘の音やばい。絢爛豪華かつ荘厳なイメージ。ザ・ゴシック!!!って感じ。(※ていうかむしろゴシック建築の代表格です。)世界観が出まくりでスッと引き込まれてしまうんですよね。エコーの掛かり方とか。なにげにエフェクト細かいです。

魔法にかけられて:So Close

何とメロメロメロウな曲なんでしょう。何なんですかこのギャップ。ホント同じ人が作ったとは思えn...(ry

この作品は、これまでのディズニー映画のパロディを織り交ぜたラブコメディです。おとぎの国に住むジゼル姫が、悪い女王様の魔法によって「永遠の幸せなど存在しない世界」(!?)の現代ニューヨークに来てしまいます。そこで出会った男性に(元の世界に戻れるよう)助けて貰ううちに、何だか気持ちに変化が...っていうタイミングで舞踏会が開かれます。その舞踏会で流れる曲です。まぁ何てロマンティック。

彼の音楽はデザインと似ている

如何でしょうか。ある時は海の中、ある時はお城の中、またある時は神話の中...それぞれの映画に最も馴染むカタチで作曲を行うアラン・メンケン大先生。その馴染み方たるや、普段わたしたちデザイナーが目指している「デザインの在り方」にも通じているように思います。

使い勝手の良いデザインというものは、実は使っていて違和感がありません。「え?どうしてこうなの?」というマイナスの印象を残さないものなのです。

例えば湯のみやマグカップ。持ち手が極端に小さかったり、縁が尖っていたりしたらどうでしょう。「え!?」って面食らっちゃいますよね。取っ手は持ちやすくラウンドしていた方がいい、縁は飲みやすく滑らかにカーブしていた方がいいなどなど、そんなことなど全く気にせず使っていることの方が多いと思います。使えて当たり前、馴染んで当たり前。それが機能的でもあり、ひいてはそのことそのものがデザインされているからです。

アラン・メンケン大先生も同様に、その映画の世界観や時代背景を大前提と捉えて、それに見合った曲づくりをされているんじゃないのかなと妄想すると、余計にその偉大さというか、プロ根性のようなものを感じずにはいられません。

聴く人の耳に心地よく、またストーリーにマッチしていて、最後には「あぁ、本当にいい映画だったね」と思わせる。よくドラマやなんかでもあります。ストーリーは良かったのに音楽が合ってなかった、とか、音楽が耳にベタッと張り付いて全然感動できなかった、とか...映画において音楽がそれくらい重要な役割を担っているということを、きっと凄く凄く、研究されている方なんだろうと思います。

まぁ全て私個人の勝手な妄想ですけど。

まとめ

こうしてみると、音楽もデザインも考慮すべき点は同じだなと感じます。と同時に、そういった音楽を通じてデザインを知るきっかけにもなると考えます。よく、デザイナーになるにはどうしたらいいですか?といった質問を受けますが、こういった音楽や映画に触れて想いを馳せてみることも、デザインを学ぶひとつのきっかけになり得ます。

もっと言いましょう。

色んなものに触れよう!感じよう!涙しよう!

そうしてデザイン眼を鍛えよう!
いぇい!



FIN☆